富士山と生きる おばあちゃんの知恵

1年で3週間程度しか食べられない「あけぼの大豆」と、ご飯にあうししとうの佃煮レシピ

1年で3週間程度しか食べられない「あけぼの大豆」と、ご飯にあうししとうの佃煮レシピ

こんにちは、くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を紹介しています。

今回は、身延町でしか育たない幻の枝豆と言われる「あけぼの大豆」の枝豆についてご紹介します。
10月は一年に一度、このあけぼの大豆が枝豆として食べられる時期なんです!

NHKあさイチでも紹介された、幻の枝豆 あけぼの大豆の枝豆

今までもこの「富士山と生きるおばあちゃんの知恵」で少しずつ、生育を紹介してきたあけぼの大豆。
10月の10日頃から2~3週間は枝豆が「旬」の季節です。
昨年はこの枝豆の収穫体験に約3000人以上(町の人口の約3分の1)が訪れたという知る人ぞ知る人気の枝豆です。

NHKの朝の情報番組『NHKあさイチ』でも紹介されたのだとか。

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ここで枝豆の豆知識を2つご紹介します。

豆知識その1

「この時期に枝豆!?枝豆は夏が旬じゃないの?」と不思議に思われる方も多いと思います。
この時期に枝豆が旬を迎えるのは、あけぼの大豆が「在来種」と言われる品種だからなんです。
在来種は、その土地の風土に合った種を引き継いでいるもので、風土に合った土地でしか育ちません

在来種の枝豆は今が旬で、有名な丹波の黒豆の枝豆も同じように10月が旬なんですよ。
種の種類によって「旬」の時期が違っているんですね。

豆知識その2

皆さんは枝豆と大豆の関係を知っていますか?
枝豆と大豆を別のものだと思っている方も多いと思いますが、枝豆は大豆の成長途中のものなんです。

大豆の種をまくと枝豆になり、それが枯れると大豆になるんです。
枝豆は大豆(種)になる前の人間で例えると「青年」の段階と言えます。

さて、あけぼの大豆は、明治時代から身延町の曙地区というところで作られていて、通常の枝豆よりも粒が大きく甘味が強いことが特徴です。
時々その豆の大きさを見て「肥えた枝豆」なんて表現する方もいるほど。
味は、クリのようなほくほくとした味で、甘みがあってあとをひく美味しさです。

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修身さん、章子さんのおうちに伺ったのはちょうど10月の3連休初日でした。
連休を利用して息子さんが家に来るということで、お二人で枝豆を収穫して丁寧に選別していました。

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美味しいものを食べさせたいと思う親心ですね。
ぷっくりと膨らんでいるのがわかりますか?
この膨らみがあけぼの大豆の枝豆の特徴なんです。

枝豆が狙われている!?

この地域では、猿や鹿もこの美味しい「収穫物」を狙っています
修身さんの枝豆も一度狙われて少し被害にあったそうです。

この時期になると、国道や家の近くでもちらほらと猿と遭遇します。
町の人の会話も「そろそろ出てきたな」とか「最近、あそこで猿の団体を見たな」と、情報交換が活発に行われています。

あまりに当たり前に話されているので、都会に暮らす私からするとびっくりするのですが、鳥獣害被害というのが当たり前の日常なのだということを感じる瞬間ですね。
そこで、こんな風にネットと柵で猿に食べられないように工夫されています。

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猿は一週間に一度は「見回り」に来るそうで、「まさに知恵比べだよ」と楽しそうに笑う修身さんです。

こちらは茹でた後の枝豆です。一度食べたらやみつきの味。

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枝豆は収穫すると糖度が落ちていくので、収穫してなるべく早く食べるのが美味しいと言われています。
しかし、枝付きで保存しておくと、鮮度が保たれるそうですよ。
たくさんある場合は、枝付きで保存をしておいて、食べる時に鞘を外して茹でて食べるようにすれば長く枝豆を楽しめます。

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さめてもおいしい新米。今年は水分量に注意が必要!

10月の楽しみは何ですか?と聞くと「やっぱり新米」とお返事してくれた章子さん。
新米をさっそく食べたそうですがもちろん炊きたても美味しいですが、「新米はさめても美味しい!」そう。

お米は約半年をかけて育ててきたから、収穫の喜びもひとしおなんですよね。

今年は、9月、10月に雨が多かったことで、お米に含まれる水分量が多いようで、「新米を炊くときはいつもより水を少なめに炊いたほうが良い」と教えてくれました。

新米に合う佃煮はいかが?ししとうの佃煮レシピ

野菜はほぼ自給自足という修身さん、章子さんご夫婦。
ししとうで佃煮を作ったものを味見させていただき、まさに新米のおかずにピッタリでした。
ピーマンでもできるそうですし、簡単なのでぜひ試してみてくださいね。

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ししとうの佃煮作り方

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材料

  • ししとう(100g)
  • 醤油大さじ1
  • みりん大さじ1
  • 砂糖小さじ0.5位
  • じゃこ 少々 (お好みで。多めにいれた方が味がでます)
  • ※今回はこの分量で作ってみましたが、ししとうが多めの方がより佃煮に近くなります。
    佃煮にすると量が減りますので、ぜひ沢山のししとう(またはピーマン)でお試しください。

    1. ししとうはヘタを切り落とす。
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    3. 煮た時に中が破裂しないように、包丁で切込をいれておく。
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    5. 鍋にししとう、しょうゆ、みりん、砂糖、じゃこを入れて、弱火で煮立てます。
      ししとうから水がでてくると思いますが、もし出てこない場合はお酒を少し入れてください。
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    7. しばらくして、ししとうがしなって、味が染み込んだら完成です!!

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    もっと美味しくするには、ここがポイント。
    汁が鍋に残っている場合は、焦がさないように気をつけながら火を強くして水分を飛ばしてください。

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    身近にある「秋」を飾る暮らし

    おうちの玄関には、秋を感じさせるものが飾られていました。
    3つに分かれた殻のような木の実のようなもの。
    これは何だかわかりますか?

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    これは椿で2月、3月に花を咲かせたあと、10月に種を落とすそうです。
    咲いた時の実が落ちた後の殻の部分なんですね。

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    茶色のころっとした種を剥いてみたら、椿油の色(オリーブオイルの色のような)の種が中から出てきました。

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    お庭を歩きながら、章子さん曰く「誰も拾わないようなもの」を拾って飾るのが好きだそうです。
    ちょっと変わった松ぼっくりを近くのお寺さんで見つけて、それを飾ったり。
    松ぼっくりと一緒に、ゆりのドライフラワーや稲穂も飾っていますね。

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    季節を感じるディスプレイが玄関にできあがっていました。

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    きっと、毎日歩いている道や庭のちょっとした変化、あそこの花が咲いたなとか、葉の色付きが変わったり、実が落ちたり。
    そんな身近にあるちょっとした季節の変化を愛でながら、少女のようにそれを見つけて、どんな風に飾ったらいいだろうかと手を加え、楽しむ。
    このひとつひとつを楽しむことが、自然に近い場所で暮らす豊かさなのではないかと、章子さんの笑顔を見て感じました。

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    編集後記

    今回お宅に伺った時に、今年初めて手作りされたという栗の渋皮煮をご馳走になりました。
    とっても立派な栗のおすそ分けを頂いたので、これを茹でて食べてしまうのはもったいないと思っていたところに、別の方から手作りの渋皮煮のお土産を頂いたそうです。

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    それがとっても美味しかったので、ご自分でも作ってみよう!と思ったそうです。
    何でも作ってみようと思うそのチャレンジ精神に頭が下がります。
    作り方を伺ったのですが、想像以上に手間がかかるので、今回はご紹介できませんでした。

    手間ひまかけて作られた渋皮煮は、甘さ控えめでとても美味しかったです。
    まさにこの時期のおやつ。
    来年は私も作ってみたいと思います!


    この記事を書いた人

    豊田有希

    豊田 有希

    1975年大阪生まれ 小さな頃は「芋掘り」が大好きなやんちゃな女の子。 1997年一部上場企業へ就職し、2016年3月に退職するまで19年勤務。 2010年田んぼできずなづくり事業を山梨県身延町でスタート。 翌年一般社団法人風土人(http://fudojin.org/)を設立。代表を務める。偶然か必然か名前の漢字は、「豊」かな「田」んぼに「希」望が「有」る。 好きを仕事に生きていく。

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