富士山と生きる おばあちゃんの知恵

2~3週間現金を使わなくても豊かに暮らす田舎の知恵

2~3週間現金を使わなくても豊かに暮らす田舎の知恵

こんにちは、くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を紹介しています。

第10回の2月(如月)。
一年で一番寒くなる時期ですね。山梨でも雪が何度か降りましたが、おじいちゃん、おばあちゃんの住む身延町は静岡県にも近く比較的温かいので、雪は積もらなかったようです。

田んぼの横にはもう”ふきのとう”が出ていました。

おじいちゃんたちは、すでに「天ぷら」にして春の訪れをいち早く味覚で感じたそうです。
山の恵である山菜や山にしかありませんよね(当たり前なのですが)。
山の近くで暮らすとこういう恵みにいち早く出会える。
春の息吹を感じ、春の苦味を味わう。そんな暮らしがここにはあります。

田舎のおじいちゃんの仕事は「総合商社」

さて、2月というと、田んぼもお休み、畑もぼちぼちという季節なので、おじいちゃん、おばあちゃんは何をしているのかなぁと訪ねて見ると・・・

おじいちゃんは、もうほとんどやることがないからと芝生を燃やしていました。
手にしている筒状のものから、火がでるそうです。
実際に燃やした芝生はこちら。
燃やすと新しいものが生えてくるそうです。

おじいちゃんはご自分の職業を「総合商社」だよと話します。
なぜ「総合商社」かというと、ふすま貼り、ペンキ塗り、大工、お米作り、山仕事、などなど何でも自分でこなすから。
昔はどの家庭でも、何でもやっていたのかもしれないのですが、今も、ご自分でやってしまえる凄腕おじいちゃんです。

さて、こちらの写真、みんなが見て喜んでいるものは??
以前ご紹介し自家製釜で作った炭の「炭ごたつ」の中をおじいちゃんがみんなに見せている図です。

炭こたつの中はこんな風になっているのですが、実際に入ってみると想像している以上に暖かくて、ほっこりとした気持ちになります。
もちろん温度調節ボタンはないので、炭の上にある灰を炭にかぶせると火が鎮火し、灰から炭を出すとまた暖かくなるという具合に温度調整をします。
こうやって、朝夕にこたつに入るときは、灰から炭を出して体を温めます。

今日はおじいちゃんに田んぼでお米作りを教えてもらっているメンバーと一緒におじいちゃんの家を訪問しました。
炭作りの話から始まり、話は自然と炭こたつの話へ。
みんなも初めて見る炭こたつに興味津々の表情です。そして、炭こたつに足を入れると、自然と団欒が始まります。

おじちゃんが、得意げに話してくれます。
の家は4種類の燃料を使っているんだよと。炭火・ガス、灯油・電気。
太陽光は”ひなたぼっこ”の時に自分の体を充電するように使っているよ、とギャグを飛ばしてくれるおちゃめなおじいちゃん。

驚きの今年まだコンビニに行ってない!生活

そして、コタツでの団欒話はおじいちゃんの「今年まだ、コンビニに行っていないよ」という話に。
その上、自分の財布から2〜3週間お金がでていっていないという話に発展。
都会に住むメンバーは唖然!!なんということでしょう。

食料などの買い物はおばあちゃんのお財布から支払っています。
じいちゃんが一番最近お財布を使ったのは「灯油」を買った時だそうです。

少し離れたところに出かける時もおばあちゃんが入れてくれたお茶を持って行ったり、自販機も使わないそうです。

その方が美味しいでしょう、とおばあちゃん。

集落にはお年寄りばかりになり、この季節は田んぼもお休みなので家の近くでの山仕事や畑仕事ばかりになる。
そうなると人と会うこともなく、家族以外と会話をすることもないそうです。集落の行事も減り、みんなでお茶を飲むなんてこともなくなっているそうです。
そのせいか、今日の私たちの訪問をとても喜んでくれました。

富山の薬ではなく、長野の種売り

以前は、長野から「種屋」さんが野菜の種を売りに来ていたそうです。
いわゆる訪問販売ですね。富山の薬売りではなく長野の種売り。

毎年2月頃にやって来ては、品質のいい種を売りにきて、栽培方法などのいわゆるノウハウを教えてくれていたそうです。

そして、その売り手さんは「帳簿」を持っていて、代々この家ではどんな種を買っていたかがその帳簿に全て書かれていたそうです。

ホームセンターで買うよりは割高だったそうですが、知識が豊富だったので、栽培方法を教えてくれたりするのが重宝していたようです。
その種売りさんも5年前くらいから訪ねてこなくなったようです。

パソコンやスマートフォンからインターネットで何でも調べられる時代なので、こういった営みはなくなっていくのかもしれませんが、毎年訪れて行く人が減ることは、田舎の人にとっては、少し寂しいことなのではないかと感じました。

今日のおやつは孫の好物のポテトフライ

今日もいつ食べても美味しいお手製ヨーグルト(自家製柚子ジャムときなこを乗せて)をいただき、京野菜である聖護院大根と里芋の煮物をいただきました。

聖護院大根の煮物は以前レシピを紹介しましたが、煮物にすると、「飲むように」トロリと食べれる染み渡る大根、みんなもとても美味しそうに食べていました。おばあちゃんは煮物には聖護院大根、などと品種をこだわって作っています。

そのおばあちゃんが「メークイン」を使って作るのがポテトフライ。

お孫さんが大好きなおやつなんだそうです。
これをおやつに出すと自分の手前に持っていき、一人で最後まで食べてしまったというエピソードもあるそうです。

おばあちゃんいわくメークインは”ねっとり感”があるので、ポテトフライにすると美味しいそうです。
確かに”ほっこり”ではなく”ねっとり”甘めなじゃがいもの味が味わえます。

作り方は簡単なのでご紹介しますね!

材料
メークイン 5〜6個くらい

  1. じゃがいもは芽が出ていれば、芽をとって、切り水に付けアクをとる。
  2. 皮はお好みですが、ついていても美味しいです。

  3. フライパンに油を入れ(少なめ)、じゃがいもを入れて火をつける
  4. ※冷たい油からやるのがおばあちゃん流です。

  5. 火をつけて強火にする。油がぶくぶくとしてきたら、焦げ付かないようにフライパンをゆする
  6. しばらく熱したら火を中火から弱火にしてじゃがいもの中に火を通す
  7. 中に火が通っているのを竹串などで確認したら、油からあげる
  8. 塩、コショウをふって出来上がり

じゃがいもの保管方法

ここで、私は少し不思議に思ったことがありました。じゃがいもは夏に収穫するのですが、置いておくと芽がでてしまって、シワシワにしおれてしまうことがあります。

夏からこの冬までどうやって保管しているのか?ということでした。
それを聞いてみると、とれたじゃがいもはダンボールに入れて、暗いところに置いておく。
それは、日に当たると青くなってしまうからなのです。

そして保管しいる間、芽がでてくるので、それを2〜3週間に一度とる。
芽がでたまま放っておくと、芽の部分に栄養がいってしまうため、シワシワになってしまうので、こまめに芽を取れば長いあいだ保管しても食べれるそうです!

じゃがいもって使いたいと思った時に、あ、ダメにしてしまった・・・と残念な気持ちになることが多かったのですが、これから都会でも試せそうです。

編集後記

2月は寒い時期。こんな時の手仕事が「味噌仕込み」です。

私たちは自分たちで育てた山梨県身延町の在来種「あけぼの大豆」を糀・塩だけを加えた味噌に仕込んでいます。
今年仕込んだ味噌は60キロ。

あけぼの大豆の味噌は「だしいらず」。
だしを取らなくても、お味噌を入れるだけでとても美味しい上等な味噌汁になるんです。
2月に仕込んだお味噌を蔵出しするのは、11月。夏を超えたお味噌は本当に美味しいです。

また、味噌は1年もの、2年もの、3年ものと熟成具合も楽しめます。
腸にも良いと言われていますし、大豆タンパク質が取れるので健康的。
今はご自宅でお味噌を仕込む方もいらっしゃいますが、大樽で仕込んだお味噌の味はまた格別です。

大豆・糀・塩を混ぜた様子

3種類の材料を混ぜたら、機械でミンチにします。

最後はそれを丸めて樽に投げ入れます。投げ入れるのは、空気を抜くため。
ハンバーグを作るときの要領です。

味噌作りは混ぜて、こねて、投げるのシンプルな手仕事なのです。

地域によってもいろいろと違いが出る”味噌”。
山梨は甲州味噌と言って、米糀と麦糀の両方を入れるのが特徴です。
機会があったら食べてみてくださいね!


この記事を書いた人

豊田有希

豊田 有希

1975年大阪生まれ 小さな頃は「芋掘り」が大好きなやんちゃな女の子。 1997年一部上場企業へ就職し、2016年3月に退職するまで19年勤務。 2010年田んぼできずなづくり事業を山梨県身延町でスタート。 翌年一般社団法人風土人(http://fudojin.org/)を設立。代表を務める。偶然か必然か名前の漢字は、「豊」かな「田」んぼに「希」望が「有」る。 好きを仕事に生きていく。

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