こんにちは。
くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を紹介しています。

第18回の2月(如月)。
2月中旬の身延は朝夕が冷えこみ、気温は2度くらいでしょうか。
それでも、おじいちゃんは朝早くからおばあちゃんの畑の周りに囲った柵の手直しをしていました。
休憩スペースには自家製の炭のストーブがおいてあります。

毎年続けている炭焼きは今年はお休みしているそうなのですが、去年までに作った炭がもう何年分も蔵に備蓄されているので困ることはありません。
去年は毎日のように炭作りをしていたおじいちゃん。
去年、私は「何年分もあるのに作り続けるんですか?」と聞いてしまったのですが、働き者のおじちゃんは「動ける時に(休まずに)作っておくんだよ」と話されていました。
先のことを考えながら、日々少しずつやれることを積み重ねておく、そんなおじいちゃんの生活の知恵です。
(おじいちゃんの炭作りの様子はこちら

2月は冬眠だよ。田んぼは3月になってから。

「2月はまだ冬眠だよ。」と言うおじいちゃん。

田んぼの準備は3月に入ってから。
2月は田んぼの中に霜が降りる時期のため、地面が濡れていて足元が歩きにくいため、入らないそうです。

さて、突然ですが、みなさんは、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」という言葉を聞いたことがありますか?
二十四節気とは、旧暦で1年を太陽の動きに合わせて24に分けたもの。
昔は二十四節気にあわせて農業をしたり、季節毎の行事を行ったりしていました。
立春、春分、夏至、秋分、冬至などはご存知ではないかと思いますが、これらも二十四節気のひとつです。
今年の啓蟄は3月6日。
「啓蟄」の語源は、地中にひそんでいた虫が戸を啓いて地上にはい出ることに由来しているそうなので「啓蟄」の頃に、田んぼや畑を耕し始めると言われています。
おじいちゃんの田んぼ作業ももう少し暖かくなったころに始まりそうです。

野菜が高いときには「漬物」が大活躍。

「野菜が高いわよね~。」というのがおばあちゃんの第一声。
この時期は野菜が端境期。
今はまだ育っている途中のものばかりで収穫して食べれる野菜はありません。
「こんなときおばあちゃんはどうしていますか?」と聞いてみると「冬に収穫した白菜を活用しているわよ」というお返事。
白菜に新聞紙を巻いて縦に立て、備蓄庫のケースの中に保管してあるそうです(畑においてあるのと同じ状態で置くのがいいそうですよ)。
寒い時期は外側が凍ってしまうこともあるそうですが、その部分をよけて使っているそうです。

そして、こんなときに助けてくれるのはやはり保存がきく「お漬物」。
12月には白菜の浅漬けをご紹介しましたが、今日はほんのりにんにくがきいた白菜のお漬物を頂きました。
見た目にはわかりませんが、さっぱりとした白菜の塩漬けにほんのりにんにくがきいていてクセになる味。
これはお酒のつまみにも合いそうです!
(作り方はこちら

おばあちゃんのお手製漬物・おやつはひそかな人気♪

おばあちゃんの作る自家製の漬物はどれも美味しくて、おやつにぴったり。

自家製大根のたくわんも大根の歯ごたえが残っていて、かつ柔らかすぎず硬すぎずちょうどいい硬さで、味も手作りの味。
ひとつ食べたら、手が止まらず何枚か頂くことに・・・。
このパリパリたくわんは親戚の方にも”人気”だそうで、みんな「お土産にほしい」と言われて持って帰っていくのよと嬉しそうに話してくれました。
手作りのものを作り、それを喜んでくれる人がたくさんいるのは幸せのループが回っていますね!
これも元気の秘訣ですね。

よく田舎では農作業の途中のおやつに”お漬物”を食べます。
おばあちゃんたちはそれぞれ自家製の漬物を持ってきてくれます。
お漬物は塩分がきいているので農作業で疲れた体を癒してくれます。
やはり”わざわざ買う”のではなく”あるものを工夫して活かす”というのが田舎に今も残る文化であり知恵ですね。
ちなみにこのたくわんは春になって食べきれずに余っていたら、小さく刻んで唐辛子とジャコを油を引いたフライパンでいためてご飯のお供にするそうです。

さて、このおやつは、おばあちゃんお手製のゆずジャムをビスケットにのせたもの。
ゆずの甘酸っぱさを少し甘みがきいたビスケットが包み込んでくれる感じで、ベストマッチ。
ありそうでない組み合わせでもう一枚・・・とまたまた手が伸びてしまいました。

おばあちゃんは、今年も、ふきのとうの初物でふきのとう味噌を作ったそうです。
(作り方はこちら

苦味とあけぼの大豆味噌の甘みがマッチして、癖になる美味しさです。
おじいちゃん、おばあちゃんはおかゆに乗せて食べているそう。
私は、頂いたふきのとう味噌を豚肉の中に入れてくるくる巻いて焼いてみました。
豚肉の甘みとふきのとうの苦味がマッチして美味しかったです。

春は菜花、ふきのとう・・・などほろ苦い味をとることで、冬に溜めたものをデトックスするといわれています。
春にしか食べれないものにはちゃんと意味があるんですね。
「旬を食べる」暮らしがおじいちゃん、おばあちゃんの元気の源のひとつですね。

編集後記

「福寿草の花が咲いたのよ」とおばちゃんが帰り際に声をかけてくれました。
「おじいちゃんは興味がないみたいなんだけどね」と言いながら。
太陽の光や温度に敏感で、太陽が当たれば花が開き、日が陰ったら花が閉じる福寿草。
お庭には黄色い梅も咲き始め、春の訪れを少しづつ感じました♪
この福寿草のようにおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの中の”福”や”知恵”を今年もいっぱい見つけていきたいと思います。