富士山と生きる おばあちゃんの知恵

田植えと、旬の山菜「ウドのきんぴら」の作り方

田植えと、旬の山菜「ウドのきんぴら」の作り方

こんにちは、くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を紹介しています。

5月はお田植えの季節です。

この辺りでは山間地で過疎化も進んでいるため、田んぼを続けているところもかなり少なくなりましたが、この時期の田んぼには、風景が写りこんでとても美しいです。
山の稜線、人、車、電線、などなど、いろいろなものが写りこんでいます。

こちらは、昔ながらの田植え風景です。

苗が成長しました!

先月は田植え用の「籾まき」をご紹介しました。

4月22日にまいた籾は、2週間後の5月6日頃には約10センチ位の苗になっていました。
苗づくりは一年に一回、失敗したら田植え用の苗が準備できなくなってしまうので、”緑の絨毯”になっている姿を見て、ホッと胸をなでおろしました。

そして、そのまた2週間後の5月20日の田植え当日にはこんなに大きくなりました。

すこし上の部分がフサフサとしている様子がわかると思います。

今年のゴールデンウィークは気温が高かったのですが、その後は20度まで届かない”曇りの日”ばかりが続いたおかげで、苗は思ったよりも成長が遅かったそうです。
苗を大きくするために、地域の方が苦心してくださったそうです。

毎年お米作りをしていても、天候によって左右され、同じスケジュールではうまくいかないことばかりです。

さて、おじいちゃん、おばあちゃんには、私たち”田んぼできずなづくり(耕作放棄地を活用したお米づくり体験プログラム)”のお田植えに”先生”として来ていただきました。

私たちは昔ながらの手植えで田植えをしているのですが、おじいちゃんは、普段は田植え機を使っているため、手で植えるのは、機械で植えられない田んぼの隅っこだけです。

それにもかかわらず、なんと、私たちの3〜4倍のスピードで植えていくので、おじいちゃんの隣りで田植えをしている人は、その早さに驚いてしまいます!

しかも、普段かがんだ姿勢に慣れていない私たちは、田植えの翌日には、太ももの裏が筋肉痛になるのですが、おじいちゃん、おばあちゃんはならないそうです。
水を張った田んぼを歩くのにコツがあるなら今度教えてもらいたいと思います。

無事田植えが終わった田んぼ。
無農薬の田んぼには、蛙やおたまじゃくしがいっぱいです。

ところで、今年の田植えはまさかの”夏日”。全国的にも”熱い週末”となりました。
例年であれば「ホーホケキョ」という鶯の声を聞きながらの爽やかな田植えのはずが、30度を超えたのではないかという気温のおかげで、田んぼの水は”お湯”状態。
田んぼでゆだってしまうのではないかと思うほどの暑さでした。

稲刈りを迎えるのは9月〜10月。
この先、本格的な夏がやってくるのですが、田植えの後は雑草との戦いを迎えます。
お日様が照ってくれれば稲も成長するのですが、雑草も同じ。
今年の夏はどれぐらい暑くなるのか、そんなことを心配してしまうほどの暑さでした。

徒歩30秒の”職場”

「ここが私の職場なの」とおばあちゃんが連れて行ってくれたのは、家から徒歩30秒の畑。
職場の話をするおばあちゃんは、とても楽しそう!

自家栽培している野菜は、玉ねぎ、人参、ピーマン、ナス、トマト、じゃがいも(男爵とメークイーン)、ブロッコリー、スティックセニョール、アスパラ(100均で買った種も無事芽がでましたよ)などなど。
今は夏に収穫できる夏野菜を育てている最中。

なすが小さな実をつけていました。

じゃがいもの花。

野菜の苗が小さい間は、写真のように周りに風よけをつけて、虫がつかないように、そして日当たりが良すぎて乾燥しないように気をつけているそうです。

丁寧に丁寧に育てられたお野菜はとても美味しくなりそうです。

そして今は、きぬさややスナップエンドウが旬なので、まさに鈴なり状態です。
採れたて・軽く茹でたスナップエンドウをいただきましたが、あまーい!手が止まらない美味しさでした。

おばあちゃんの職場である畑の特徴は、猿や鹿に食べられないように、柵が張り巡らされ、屋根にあたる部分も網で囲われたビニールハウスならぬネットハウスです。

「囲いをおじいちゃんに作ってもらったから、今年はいくらか収穫できるかしら♪」と嬉しそうです。
人がいない時だけでなく畑で作業をしている時でも、猿が山から降りてきてすぐ近くで人間の様子を見ているそうこともあるようです。
自家製野菜を食べられないためには、人間も知恵を絞って農業をしなければならないのが山間地での現実なのです。

うどのきんぴら

先月号で紹介した「うど」。
ちょうど取材日にまた分けていただきました。

うどと言えば酢味噌で食べるのが王道ですが、きんぴらもまた美味しいです。
おばあちゃんに簡単なうどのきんぴらを教えてもらいました。

うどは”お味噌”と合う気がしてね」とお味噌を入れるのがおばあちゃん流です。
うどのシャキシャキの食感と独特の風味がたまらないです!
おばあちゃんのレシピは適量なので、きんぴらを作る要領でやってみてください!

分量

  • うど2本 油少々(ごま油でもOK) 
  • 調味料(お醤油 小さじ2位 お酒 小さじ1 みりん小さじ1 砂糖 小さじ1 お味噌 小さじ1.5)
  • 調味料はお好みの味に調節をしてみてください。たかの爪などを入れてもOK

  1. うどは皮をはがして、スライスする
  2. 皮は一緒にきんぴらにしてもいいのですが、今回は中身の白い部分だけを使います

    周りの皮は手でスーっと剥がれます。

    はがし終わるとこんな感じになります。
    この白い部分だけを使います。
    10センチ位の長さで細切りにしましょう。

  3. 酢水(水にお酢を入れたもの)に2〜3時間つけます
  4. 鍋に油を入れて、2のうど(水を切ったもの)を入れ炒めます
  5. 砂糖、醤油、みりん、酒を入れて味をつけます
  6. 調味料の水分が残っている状態でお味噌を入れます

できあがり。
白いご飯に合ううどのきんぴらとなりました。
私は最後にいりごまを載せていただきます。

天然クーラー

おじいちゃん、おばあちゃんの暮らす家は山の中腹にあります。
家の窓からはお向かいの山やお庭の緑が見えるようになっていて、旅館に来たような錯覚に陥ります。
窓から見える景色はまさに”山里の風景”。
時を忘れそうになります。

近くを走る国道との高低差があり、どんなに高いかと言うと、「電柱をチェックする電力会社のヘリコプターが家より低い位置を飛んでいくよ」とのこと。これには爆笑です。

そして、窓を開けていれば、外の暑さが嘘のような心地のよい風がふわ〜と流れて、涼をもらえます。
この風をおじいちゃん、おばあちゃんたちは「天然クーラー」と呼んでいます。
もちろん家にクーラーはなく、夏もこの風が天然クーラー代わりです。

編集後記

おばあちゃんの家の周りや家の中はいつも花で囲まれているのですが、5月ともなるとたくさんの花々が咲いていました。
「お花の世話をしているのが一番の幸せ」というおばあちゃんは、以前もご紹介しましたがまさに花咲かばあさん。

本当にたくさんの花が咲いていて、花園に来たみたいですよ。
ご紹介しきれない位お花が咲いているので、今回は玄関スペースのお花を写真でご紹介します!

<玄関のお出迎えスペース1>ランのコーナー
贈り物などで頂いたお花を毎年咲かせようと世話をするのがおばあちゃん流。
たくさん咲いたお花は”センターの位置”に並べてもらえるみたいです。

<玄関のお出迎えスペース2>
一番手前のお花は”ベルフラワー”と言って、ベルのような形をしています。
お花好きな人は、めずらしいお花が咲いたらそれをお花好きの人に持って行き、別のめずらしいお花を分けてもらうという話を教えてくれました。
お花の交換をしながら、自分のところのお花を増やしていくんですね。

面白いお花がありました。
紫のつゆくさ。
これは別名”インク草”と呼ばれていて、お花の部分を手で触ると色が手に写るんです。

ここには紹介しきれないくらいたくさんのお花に囲まれた生活です。
お花好きな人がお庭にきたらお花談義に花が咲くのではないかと思います。


この記事を書いた人

豊田有希

豊田 有希

1975年大阪生まれ 小さな頃は「芋掘り」が大好きなやんちゃな女の子。 1997年一部上場企業へ就職し、2016年3月に退職するまで19年勤務。 2010年田んぼできずなづくり事業を山梨県身延町でスタート。 翌年一般社団法人風土人(http://fudojin.org/)を設立。代表を務める。偶然か必然か名前の漢字は、「豊」かな「田」んぼに「希」望が「有」る。 好きを仕事に生きていく。

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