おばあちゃん直伝冬の旬「ゆず」の活用法

こんにちは、くらそうねライターの豊田有希です。
富士山と生きるおばあちゃんの知恵では、山梨県巨摩郡身延町に住むおじいちゃん、おばあちゃんの暮らしの知恵を紹介しています。

第7回の11月(霜月)。11月になると木々が紅葉して秋本番という季節が訪れます。
お米作りも一息のこの時期、おじいちゃんとおばあちゃんは冬支度を始めていました。
こちらは身延町にある本栖湖畔からみた富士山。山々が少し色づいています。

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おじいちゃんは木に登って冬支度?!

まずはおじちゃんの冬支度から。
おじいちゃんは、なんと木に登って柿や栗の木の枝を高枝のこぎりで切っていました!

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こ、こ、こんなに高いところに脚立をかけて切っていました。
御年76才なのに、すごい!
手を一生懸命伸ばして、棒の先についた”のこぎり”でギコギコと枝を切っています。
「けっこう大変ですね」と声をかけると

けっこう大変だよ〜。だから休み休みやっているんだよ。

この切った枝を同じ長さに揃えて作るのは「炭」。

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おじいちゃんの炭焼き小屋は手作りで、作った炭はなんと「こたつ」に使うんです。
おじいちゃんとおばあちゃんのこたつは「炭こたつ」なんです。
「炭こたつ」は、堀ごたつになっていて、足を乗せるところの下に炭を入れて、その暖かさで暖をとるんです。

炭はこたつに入れたままなので、朝起きてもほんのり温かいのよ。
電気だと温まるまで時間がかかるけど、いつでも温かいの。

嬉しそうに話してくれました。

二人でこたつに入りながらお茶を飲んでのんびりしているんでしょうか。
その姿を想像してほっこりしてしまいます。
私も炭こたつ初体験させてもらいましたが、優しい暖かさでした。
熱すぎず、ほわーんと暖かくなるようなそんな暖かさです。
この炭ごたつもおじいちゃんのお手製というから驚きです。

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柚子をたっぷり使うのがおばあちゃんの楽しみ

11月になると柚子がとれはじめます。
おじいちゃん、おばあちゃんのお庭には沢山のゆずの木が植えてあって、毎年沢山の実をつけてくれます。
11月〜2月はこのゆずを使っていろいろ作るのがおばあちゃんの楽しみだそうです。

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たくさんのおすそわけもいただきました。
こんなに大きいゆずをいただくと本当に嬉しいです。

桃栗3年、柿8年、ゆずは○○

ところで皆さん、ゆずは何年で実をつけるか知っていますか?
桃栗3年、柿8年とはよく言いますが、ゆずは・・・・???
実は「桃栗3年、柿8年、ゆずの大馬鹿18年」と呼ばれています。
種から育てると実をつけるまで18年かかると言われています。

しかもゆずの木は表年と裏年があると言われていて、同じ木でも沢山実がなるのは1年ごとだと言われています。
沢山とれる年が「表年」、ほとんどとれない年が「裏年」。

例えば、今年いっぱい実をつけた木は来年はほとんど実がつかないんです。
たくさんの木があればこそ、たくらんのゆずが毎年取れるというわけですね。

さらに、ゆずの木には「とげ」があるって知っていますか?
近くに行ってみるとわかるのですが、ゆずの枝には強烈な「とげ」があります。
その刺を踏んでしまうと足を怪我をしてしまったりするので、収穫の時は怪我をしないように「革の手袋」をつけたりするんです。
大げさに言えば、命懸けで頂くゆずということになりますね。

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おばあちゃんのゆずづくし

おばあちゃんがこの時期によく作るのはゆずの「なます」と「砂糖づけ」
ゆずの果汁を使ってなますを使って、残った皮と実をつかって砂糖づけを作るんです。
とっても合理的ですよね。余すところなく使うのも田舎ならではの知恵なのだと思います。

写真奥が「大根、にんじん、ゆずで作る簡単なます」手前が「ゆずの砂糖づけ」です。

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さぁ、ではさっそく作ってみましょう。

ゆずのなます

■材料 

  • 大根 2分の1本 
  • 人参 ひとかけら 
  • ゆず1個 
  • 白ごま(お好みで)
  • 砂糖 小さじ4〜5杯 
  1. 大根と人参は千切りにします。ゆずも少しだけ千切りにしておきましょう。(ゆずの皮は香り付け程度に使います)
  2. 塩もみをして数時間置いておきます。
  3. 塩もみをした2を水をかけて塩分を洗ってから水気を絞ります。
  4. 砂糖を入れ、ゆずの絞り汁と皮の千切りを入れてまぜます。
  5. 一晩おいてできあがり。味がしみます。お好みでごまを手でつぶしながら加えてください。

お酢をいれずにゆずのみでつくるなます。さっぱりとしたお味です。
大根や人参はスライサーなどを使わずに包丁で切った方が美味しいそうです。

ゆずの砂糖づけ

■材料

  • ゆず1個 
  • 砂糖 30g位
  1. なますを作って残ったゆずの皮と実を細切りにします。
  2. 砂糖を加えてできあがり。

できたゆずの砂糖づけはヨーグルトのお供にしているそうです。
おばあちゃんのところでは、いつもはヨーグルトには自家製ジャムですが、この時期なゆずの砂糖づけを乗せて食べるんだそうです。
きなこを毎日一緒に食べるのも健康の秘訣なんですよ。

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他にもゆず味噌を作ったり、お吸い物に入れたり、お鍋のポン酢にしたりと冬に出番の多いゆず。
そんなゆずが家のお庭にあって使いたい時にとってこれるなんて、本当に羨ましいですね。

漬物も自家製野菜で手作り

おばあちゃんの家の横にはきれいに手入れされた畑があります。
その畑でとれた自家製野菜を漬物にするのがおばあちゃん流。
畑は猿や鹿の被害に遭うことも多いそうですが、その度におじいちゃんが柵を作ってくれたり、網をかけてくれたり工夫をしてくれるそうです。

何度も(動物に)取られちゃうんだけど、野菜を育てるのが好きなの。

いたちごっこをしながら採れた野菜をお漬物に仕込んでいました。

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網の中でしっかりと守られた白菜。無農薬で作っているのでどうしても虫食いになってしまうそう。
虫をひとつひとつとっていくのもおばあちゃんの大事なお役目だそうです。

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この通常、スーパーで見る大根の半分から3分の1のサイズの大根をこれからたくあん漬けにするそうです。
小さいサイズを使うのは、一度に食べきれるサイズを沢山作っておくほうが食べやすいというおばあちゃんの知恵です。

 たくあんは自家製の米ぬか(お米を精米した時にできるぬか)と塩とけずり粉と昆布を使って漬けます。
漬ける前に天日に干すと美味しくなります。
畑で採れた白菜はすでにお漬物になっていました。

小さいサイズの白菜をさらに4分の1ぐらいに切って漬けているそうです。
これも一回に食べきれるようにと考えた工夫。

みじん切りにしたにんにくと唐辛子を入れて少しピリ辛なお味です。
大量に漬けるのではなく、少しづつを何度も何度も漬けて食べるそうです。
手間を惜しむのではなく、手間ひまをかけていつも美味しいものを頂くそんな暮らしです。

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皇帝ダリアが咲き誇るお庭

 
晩秋になると咲き誇る「皇帝ダリア」。

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成長すると3〜4メートルの高さになることから「皇帝」と言われるダリアですが、親戚の方からいただいたダリアをおじいちゃんが定植をして田んぼの横に育ててくれました。
毎年少しづつ増えて、今年はこんなにも沢山のダリアが咲いていました。
人知れず誰かのために花を植える、花さかじいさんのようなおじいちゃんです。

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編集後記

甲州盆唄に「身延の者は声が良い よいはずだ 南天山の水のむ ドッコイ南天山の水のむ」と歌われています。
南天のどあめで有名なあの南天の実がこの赤い実です。
南天は「難を転じて福となす縁起木」と古くから言われているそうです。

身延町には南天の郷があって、おじいちゃん、おばあちゃんの家にも沢山の何点の木が植わっています。
おばあちゃんに聞いたところ、南天の実は鳥たちの大好物で鳥が全部食べちゃうんだそうです。

私たちは、12月にお米を脱穀した後の藁をつかってしめ縄を作るのですが、その時にこの南天を飾ると茶色の中に赤色が映えてとても綺麗なんです。
難を転じるという意味でもぴったりです。その時は、おじいちゃんのところの南天をおすそ分けに頂く予定です。

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