解体で廃棄物処分費が高すぎる?費用を抑える5つの方法とは?
家の解体を検討している方の中には、「廃棄物の処分費用が高くて驚いた」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。実は、解体費用の30~40%は廃棄物の処分費用が占めています。では、一軒の家を解体すると、どれくらいの廃材が出るのでしょうか? そして、処分費用を少しでも抑える方法はあるのでしょうか?
本記事では、家の解体で発生する廃棄物の種類や量、費用を抑えるポイントについて詳しく解説します。
廃棄物とは?

廃棄物は、廃棄物処理法によって以下のように定義されています。
「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体などの汚物や不要物であり、放射性物質および汚染されたものを除いた固形状または液状のもの」
廃棄物は、排出される場所や種類 によって 「産業廃棄物」と「一般廃棄物」 の2種類に分類されます。
- 産業廃棄物:事業活動に伴って発生する廃棄物のうち、法律で定められた20種類のもの
- 一般廃棄物:上記に該当しない家庭ごみなど
家の解体で出る廃棄物の量とは?
一般的に、2階建て30坪の木造住宅を解体すると、4トントラックで5〜10台分の産業廃棄物が発生します。しかし、同じ30坪でも、建物の構造や間取りによって廃棄物の量は大きく異なります。
例えば、総二階建ての家と平屋では、屋根や基礎部分の量に大きな違いがあります。さらに、間仕切りが多い家では内装材が増え、窓が多い家ではガラスの廃棄物も多くなります。
また、リフォーム歴がある建物では、元の内装材の上に新たな材料が重ねられている場合があり、解体時に発生する廃棄物が増えることがあります。
産業廃棄物の処理の流れ
産業廃棄物の多くは資源として再利用され、特にコンクリートガラや鉄くず、木くずなどはリサイクルされることが一般的です。しかし、火災に遭った建物や水害で損傷した廃材などは、汚染や劣化の影響でリサイクルが困難な場合があります。そのため、これらは最終処分場での埋立てや焼却が必要となり、処理コストが高くなる傾向にあります。
①廃棄物の分類と分別
解体などによって発生した廃棄物は、その種類や危険性に応じて適切に分類され、分別されます。産業廃棄物は、一般廃棄物と異なり、法律で厳密に規定されているため、適切な処理が求められます。
- 木くず
- コンクリートガラ
- 鉄くず
- プラスチック類
- 石膏ボード
- 外壁材類
- ガラスなど
②廃棄物の収集と運搬
分別された廃棄物は、許可を受けた収集運搬業者によって、適切な方法で運搬されます。この段階では、廃棄物の種類に応じて、専用の車両や容器が使用されます。
③中間処理
収集された廃棄物は、焼却、圧縮、破砕、選別などの中間処理が行われます。この処理によって、廃棄物の体積や重量が減少し、処理がしやすくなります。また、有害物質が含まれている場合は、その取り除きが行われます。
④最終処分
処理後の廃棄物は、最終的に埋立てや焼却、リサイクルなどで処分されます。リサイクル可能な廃棄物は再利用され、再生資源として活用されますが、処理方法には環境への配慮が必要です。
⑤適正処理の確認
産業廃棄物は、適切な処理が行われたことを確認するために、処理業者は運搬・処理の記録を保持し、事業者はそれを管理する義務があります。また、処理方法が法律に則っているかを定期的にチェックすることが求められます。
解体時の残置物が費用を左右する?事前に処分すべき理由とは

家の解体を行う際、室内に家財や不用品が残っていると、解体業者がそれらを産業廃棄物として処分することになります。産業廃棄物として処理する場合、一般のごみ処分よりも費用が高くなるため、事前にできるだけ片付けておくことが重要です。
解体時に家財が残っていると費用が高くなる理由
- 産業廃棄物として扱われ、処分費が割高になる
- 分別作業が必要になり、作業費用が上乗せされる
- 一般廃棄物と異なり、特定の処理施設で処理する必要がある
もし自分で処分できる場合は、事前に片付けておくことで解体費用を大幅に削減できます。遠方に住んでいるなどの理由で片付けが難しい場合は、不用品回収業者に依頼することも可能ですが、その分費用は高くなります。
解体前に確認!残せるもの&処分すべきもの
解体工事をスムーズに進めるためには、事前に「残していいもの」と「処分すべきもの」を整理しておくことが重要です。
残しても良いもの
解体後に再利用できるものや、建物の構造上必要なものは残しておくことが可能です。
- 基礎や境界標(敷地の境界を示すため)
- 井戸や浄化槽(要相談)(撤去せずに残す場合がある)
- 一部の配管やインフラ設備(解体後に再利用する可能性がある)
- 庭木や石材(買い手がつく場合もある)
- 再利用可能な建材(古材・瓦など)(リサイクル目的)
事前に解体業者と相談し、残すものと撤去するものを明確にしておくことで、無駄な撤去費用を抑えられます。
解体前に処分すべきもの
解体工事に支障をきたすものや、処分に追加費用がかかるものは、事前に処分するのが理想的です。
- 家具や家電製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどリサイクル法対象品を含む)
- 一般廃棄物(生活ごみ)(可燃ごみ、不燃ごみ、ペットボトルなど)
- 危険物(ガスボンベ、塗料、バッテリー、薬品など)
- 車やバイク、農機具(特別な処分手続きが必要なため)
これらのものを解体時に残してしまうと、追加の処分費用が発生するだけでなく、解体作業自体が遅れる可能性があります。
事前に業者と相談すべきこと
解体業者によっては、廃棄物の処分費用が解体費用に含まれている場合と、別途請求される場合があります。そのため、契約前に以下の点を確認しておくことが重要です。
- どこまで処分費用に含まれているのか?(家財処分を含むか)
- 残しておくものを事前に伝えておく(境界標、井戸、庭木など)
- 追加でかかる費用があるかどうか(産業廃棄物の量や種類による)
しっかりと事前確認を行うことで、予期せぬコスト増を防ぎ、スムーズに解体工事を進めることができます。
費用を抑える5つの方法
廃棄物を自分で処分する方法について、いくつかご紹介します。
①不燃ごみとして出す
不燃ごみとして出せるものには、食器や陶器類、鍋、小型の電化製品などがあります。これらは、通常の家庭ごみとして出すことはできませんが、不燃ごみとして適切に処理できます。また、古くなった鍋ややかんも、鉄やアルミニウムなどの金属製であれば、不燃ごみとして出すことができます。
小型の電化製品も不燃ごみとして回収されることが多く、例えば古い電気ポットや小型の掃除機、トースターなどが含まれます。ただし、電化製品には内部に有害な物質やリサイクル可能な部品が含まれていることがあるため、地域によっては別の処理方法が求められる場合があります。このため、事前に自治体のガイドラインを確認してから出すことをお勧めします。
②粗大ごみとして出す
自治体の粗大ごみ回収の流れは、以下の通りです
- 粗大ごみ回収の依頼:まずは、自治体に粗大ごみ回収を依頼します。
- ゴミ処理券の購入:指定された取扱店(コンビニやスーパーなど)でゴミ処理券を購入します。
- ゴミ処理券への記入:ゴミ処理券に必要事項(氏名など)を記入します。
- 回収場所への家具の設置:回収当日、指定された時間前に家具を指定の場所に置いておきます。
例えば、ベッドの場合は1,000~3,000円、タンスの場合は300~2,500円など、自治体によって出せる品目や料金が異なります。そのため、事前に確認しておくことが大切です。
③家電量販店や指定引取場所に持っていく
家電リサイクル法(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)に定められている物を処分するときは、粗大ごみとして出してはいけません。家電リサイクル法で処分方法が決まっています。
特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)は、一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などの特定家庭用機器廃棄物から、有用な部品や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。
新しい家電を購入する際に、購入店に引き取りをお願いするか、自治体が指定する引取場所に持ち込んで処分しましょう。
④ネットオークションやフリーマーケットで販売
ネットオークションやフリーマーケットアプリを活用するのも一つの手段です。使用しなくなった家具や家電、衣類などをオンラインで販売することで、処分費用を抑えるだけでなく、思わぬ収入を得ることも可能です。
例えば、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリでは、手軽に出品でき、直接購入者とやり取りができるため、スムーズに取引が進みやすいです。商品の状態や詳細な説明を記載し、写真を工夫することで、より早く売れる可能性が高まります。
また、地域のフリーマーケットに参加するのも効果的です。直接対面での取引となり、即座に現金化できるのが魅力です。出品前に商品の状態を確認し、清掃や簡単な修理をしておくと、より高く売れることがあります。
⑤買取ショップで売る
家具、家電、ホビー品、衣類などは、買取ショップで売ることもできます。
BOOKOFF、セカンドストリート、エコリングなど、全国展開している買取店も多く、宅配買取や出張買取などの便利なサービスを提供しているお店もあります。近くに店舗がない場合でも、手軽に売却できるのが魅力です。
まとめ
廃棄物を処分する方法には、自治体の粗大ごみ回収や、不燃ごみとしての処理、家電リサイクル法に基づいた処分など、さまざまな選択肢があります。さらに、ネットオークションやフリーマーケットを活用すれば、不要品を売ることで処分費用を抑えつつ、収入を得ることも可能です。
自分でできる処分方法や、自治体や専門の業者を利用する方法を上手に組み合わせることで、効率的かつ経済的に廃棄物を処理することができます。事前に調べ、適切な方法を選ぶことが大切です。
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