「解体の補助金はどこから出るの?」補助金を受けたい方へ徹底解説
「そろそろ家を解体しなくてはいけなくなったけど、解体工事は予想外の出費で、そんなにお金もかけられない…」
空き家や建て替えで解体工事を検討されている方なら一度は考えることではないでしょうか。
実は解体工事には補助金があり、条件を満たせば助成を受けられる可能性があります。
今まで知らなかったという方も多く、徐々に注目が集まっています。
ここでは解体工事の補助金について、補助額や申請方法を中心にわかりやすく解説します。
目次
1.解体工事の補助金とは?

1.1補助金の目的
解体工事に関する補助金は、何のために設けられているのでしょうか。
主に空き家を対象としたものが多いですが、国や自治体がこうした補助金を用意する背景には、放置された建物がもたらす以下のような問題を防ぎたいという意図があります。
- 街の景観を守り、美しい環境を維持するため
- 災害時に破損や倒壊による二次被害を未然に防ぐため
- 不法投棄や放火など、犯罪の温床となることを防ぐため
- 不要な建物を解体して新たな建物が建設されることで、地域の活性化を促進するため
これらの理由から、補助金制度が設けられているのです。
特に近年、空き家問題は社会的に深刻な課題となっています。
この問題を解消するための取り組みの一環として、補助金制度が活用されています。
1.2補助金の種類と金額例
そんな補助金にはどんな種類があるのでしょうか。
種類と金額を例にご紹介します。
老朽危険空き家解体補助金
老朽化に伴って倒壊の恐れがある危険な状態の空き家の撤去に対して支給されます。
補助金を受けるためには、事前に自治体が提示する要件に該当していることが必要となります。
ポイントとして、自分で判断するのではなく事前に自治体へ調査の依頼を行い
調査後に要件を満たしていると判断されると申請が可能となります。
補助金支給額は、解体費用の2割~5割程度が一般的です。
例)兵庫県神戸市 最大で60~100万円
大阪府東大阪市 最大で50~100万円
木造住宅解体工事補助金
木造住宅解体工事補助金は、地震発生時において木造住宅の倒壊などによる被害を防止するために、
耐震基準を満たしていない木造住宅の解体費用の一部が支給されます。
補助金支給にあたっては、木造住宅の耐震診断を受け、耐震性が低いと判断される必要があります。
自治体によっては解体する前年度までに耐震診断を受ける必要がある場合もあるので、
補助金を受けることを検討している場合は早めに診断を受けておくようにしましょう。
例)広島県東広島市 最大50万円
愛知県名古屋市 最大40万円
ブロック塀等撤去費補助金
地震発生時にブロック塀などの倒壊による被害を防止するため、一定以上の高さがあるブロック塀の
解体費用の一部が支給されます。一般的には高さが1メートル以上であることが条件です。
構造については、ブロック塀のほか、コンクリート造や石造り、レンガ造なども対象です。
補助金支給額は、解体費用の2割から5割程度が支給されることが多いです。
例) 岐阜県岐阜市 最大30万円
岡山県岡山市 最大15万円
建て替え費補助金
耐震基準を満たしていない戸建てを解体して、新しく一定の基準を満たす住宅を建築する場合に
解体費用や建築費用の一部が支給されます。
自治体によって細かい条件が異なるため、
補助金を利用したい場合は事前に要綱をよく確認したうえで申請、工事まで進める必要があります。
例)福岡県福岡市 上限20万円
和歌山県和歌山市 上限50万円
2.補助金が給付されるまでの流れ
- 補助金の申請
- 自治体による審査
- 解体工事の着工
- 工事完了後の報告書提出
- 補助金交付
という一連の流れがあり、実際に補助金を受け取るまでにはかなりの期間がかかることがわかります。
①補助金の申請
解体工事を始める前に、補助金の申請を行う必要があります。多くの自治体では、工事着工後に申請することが認められていません。
また、補助金には年度ごとの申請期間があり、予算に達すると受付が締め切られる場合があります。そのため、できるだけ早めに確認し、手続きを進めることが大切です。
②自治体による審査
補助金の申請後、自治体による審査が行われます。審査内容は、物件の老朽化具合や近隣住民への危険性などが主なポイントです。
審査結果が出るまでに数週間から1か月程度かかることがあり、場合によってはさらに長引くこともあります。スケジュールに余裕を持って手続きを進めましょう。
③解体工事の着工
審査に通過した後、解体工事を進めることができます。自治体によっては、特定の登録業者を使用することが条件となっている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、工事の際には一定期間内に書類の提出や届出が必要です。これらの手続きについては、多くの場合、解体業者が代行してくれるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
④工事完了後の報告書提出
解体工事が完了した後、自治体への完了報告が必要です。報告時には、解体工事が終わったことを証明する書類が求められることがあります。具体的には、取り壊し証明書や領収書などが必要になる場合が多いですが、自治体によって必要書類が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
⑤補助金交付
補助金の交付は、自治体が報告書の内容を確認した後に行われ、実際に補助金が支給されるまでには数週間かかることがあります。また、補助金は工事完了後に支給されるため、解体費用を一時的に自己負担する必要があります。そのため、資金計画をしっかり立てておくことが大切です。
3.補助金を利用する際の注意点

補助金の種類と条件は自治体ごとに異なる
先ほど「1.2 補助金の種類と金額例」でも説明したように、
補助金の種類や条件は、解体を希望する空き家が所在する自治体によって異なります。
補助金について調べる際は、自治体の公式ホームページを確認するのが最も確実です。
「○○県○○市 解体 補助金」などのキーワードで検索すると、必要な情報を見つけやすいでしょう。
また、自治体によっては複数の補助金を提供している場合もあります。わからないことがあれば、自治体の代表電話に問い合わせて確認するのもおすすめです。
さらに、市内または町内に本店がある工事会社に依頼することを補助金の条件としている場合もあります。
必ず要綱を最後まで読み、条件を十分に理解してから申請を進めましょう。
補助金の申請が認められてから工事に着工すること
補助金を利用する際、最も重要なルールの一つが「申請が認められてから工事に着工する」という点です。補助金の申請は工事の着工前に必ず済ませる必要があります。申請後は審査が行われ、通常2~3週間程度で結果が通知されます。この審査を通過した後でなければ工事に取り掛かることはできません。
もし事前の確認を怠り、工事を始めてしまうと、補助金の申請ができなくなるため注意が必要です。特に急いで工事を進めたい場合でも、審査結果が出るまで待つことが求められます。
補助金には審査期間があり、時間がかかる
補助金の申請には審査が必要で、交付までに通常2~3週間程度かかります。
さらに、耐震診断が必要な場合、自治体によっては診断を前年度中に済ませておく必要があることもあります。
診断そのものが数か月待ちになるケースもあるため、早めの行動が重要です。
補助金を利用する際は、スケジュールに余裕を持って準備を進めましょう。
年度ごとに決まった申請期間があり、予算や枠が限られていること
補助金は、自治体ごとに年度ごとの予算や申請枠が設定されています。そのため、申請は指定された期間内に行う必要があります。予算が上限に達した場合、締め切り前であっても申請が打ち切られることがあるため、早めの行動が大切です。
また、工事が年度をまたいでしまう場合は補助金の対象外となる可能性があります。特に工事のタイミングが3月末から4月初旬にかかる場合、年度の切り替わりに注意し、計画を立てる際は余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
補助金の交付は、解体工事後に支払われる
補助金は基本的に後払い方式で支給されます。そのため、解体工事を行う際は、最初に全額を自分で用意し、着手金や最終金として工事会社に支払う必要があります。補助金は解体工事が完了した後に交付されるため、事前に十分な資金計画を立てておくことが重要です。
4.どんな家が補助金の対象になる?
補助金は自治体ごとに用意されているため、解体したい物件がある自治体に補助金制度がなければ利用することはできません。まずはお住まいの自治体に補助金制度があるかを確認してみましょう。
以下に、補助金の対象になりやすい家の例を紹介します。
耐震基準を満たしていない家
1981年5月31日以前に建てられた建物は旧耐震基準で建てられているため、耐震基準を満たしていないと診断される可能性があります。この場合、補助金を受けられる条件に該当することが多いです。
ただし、増改築や耐震補強工事が行われている場合は対象外となることもあるため、あくまで目安として考えてください。自治体の条件を確認することが大切です。
老朽化や腐朽が激しい家
建物が目に見えて老朽化している場合も補助金の対象となる可能性があります。
例えば、家が傾いていたり、瓦が崩れ落ちていたり、柱や壁が腐っている状態などが挙げられます。
このような家は、地震や台風の際に倒壊し、周囲に被害を及ぼす危険性が高いため、補助金の対象として優先されることがあります。
補助金が出るかどうかの判断は自治体が行いますので、具体的な条件や必要な書類については自治体に直接問い合わせるのがおすすめです。
まとめ
今回は、解体工事で利用できる補助金について、申請方法や手続きの流れを詳しく解説しました。
解体工事を進める前には、まず自治体に補助金制度があるかを確認しましょう。また、補助金の申請期間や条件をしっかり把握しておくことが大切です。これらを怠ると補助金が受けられなくなる可能性もありますので、計画的に進めることが重要です。
さらに、自治体への補助金申請時には、工事会社から発行される見積書が必要となる場合があります。補助金の利用を検討している方は、早めに工事会社へ見積もりを依頼して準備を整えておきましょう。
事前準備をしっかり行い、後悔のない解体工事を実現してください。
都道府県別に解体工事会社と解体費用相場を見る
-
北海道・東北
-
関東
-
甲信越・北陸
-
東海
-
関西
-
中国
-
四国
-
九州・沖縄