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住宅の解体工事を自分で行うことは、物理的・法律的に可能でしょうか?


                 

老朽化した自宅の処分を検討しています。費用を抑えるために業者に依頼せずに自分で解体工事をしようと考えていますが、家屋の解体作業というのは素人でもできるものでしょうか?法律上の問題はないでしょうか?

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どのような解体をご希望ですか?

どちらも問題はありません。定められた手続きを行えば、合法に工事を進めていただくことが可能です。

許可は不要

解体工事を行う際に必要な許可として知られているのが、建設業許可(土木工事業 or 建築工事業 or とび・土工工事業)と解体工事業登録の2つです。また、廃棄物の運搬を他社から委託する場合には産業廃棄物収集運搬許可が必要となりますが、これらはあくまでも事業として作業を行う場合の許可です。

今回のようにご自分で解体工事を行う際には、特に許可の必要性は定められていません。

※レベル1・レベル2のアスベストを撤去する場合は専門の許可が必要です。

※工事車両の運転には車両系建設機械運転者の免許が必要です。

まずは必要な申請を理解すること

許可の面では問題ないものの、工事を進めていく際には業者と同様に、法律で定められた手続きを行う必要があります。

  • 工事前の申請・手続き
    建設リサイクル法の事前申請
    ライフラインの停止申請
    道路占用許可(工事中、道路に車両等を停車させる場合)
    近隣説明
    その他、固有の法律・条令に基づいた申請
  • 工事後の申請・手続き
    建物滅失登記
    マニフェスト伝票の回収
    近隣御礼
    その他、固有の法律・条令に基づいた申請

不明点は自治体に問い合わせを行うなどして、合法的な手順を踏んでください。

安全面と近隣に気をつけて工事を行う

解体工事に危険はつきものです。ご自身で行っていただくからには、そのような安全配慮の点で責任を持って工事を進めていただく必要があります。

  • 道具と作業員の確保
    取り壊しを行う際の、適切な道具(重機・ハツリ機・ツルハシ・トラック等)と作業員(解体工事の経験ある人間が望ましい)を確保します。
  • 作業スペースの確保
    解体工事を行うには、廃材を置く場所、重機の停車場所等のスペースが必要です。そのようなゆとりある空間を確保します。
  • 近隣への説明
    どれくらいの工事期間がかかるのか?どのような迷惑がかかる可能性が有るのか?(埃、臭い、音)を近隣の方に説明します。
  • 養生の設置
    作業中の埃を抑えるために、建物の周りを専用の養生シートで囲います。作業中は散水も必要です。
  • 廃材処分への理解
    現在では分別解体が義務付けられていますが、部材によっては特殊な処理が必要です。(アスベスト含有の建材等)そのような点について勉強します。

処分場選びは注意

解体後の廃材は通常産業廃棄物ですが、自身で解体工事を行った場合には一般廃棄物として見なされる可能性が高いです。一般廃棄物の場合は行政のリサイクルセンターで引き取ってもらえますが、行政によって解釈が異なる可能性があるため、一度窓口への確認を行い、リサイクルセンターへ持ち込むと良いでしょう。

もしも、廃材が産業廃棄物とみなされる場合には、産業廃棄物処分許可を保有した処分業者に委託をしなくてはなりません。

ここでの注意点は「処分業者が不法投棄をした場合、廃棄物の排出者が罰せられる可能性がある」ということです。

解体工事をご自身で行う場合は、そのようなリスクを踏まえたうえで、しっかりとした業者を選ぶ必要があります。(許可の保有、過去の違反が無い、など)

自己責任で

最も大切なのは、「何かあった場合に全て自分で責任が取れるか」ということです。

不法投棄、工事中の事故、近隣からの苦情など、様々なリスクをはらんでいますので、そのようなリスクに対して責任を取れるか良く考えた上で、工事を進めていただくのが良いでしょう。

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