杭を抜かずに途中でカットすることは可能でしょうか?
取り壊し予定の建物の下に杭が埋まっていることが分かりました。杭抜き工事(引き抜き工事)の費用を見てみたらかなり高額だったため、できれば杭を抜かずに建物のみ解体できないかと思っています。埋まっている杭を途中でカットして地中に残すことは可能でしょうか?何かデメリットはありますか?
物理的には可能ですが、行政への確認が求められます。また、土地の価値やその後の建築計画に影響が出ることがあるため、将来的な土地利用方法も考えた上で慎重に決断しましょう。
物理的には可能
杭を途中でカットしコストダウンを行うことは可能です。一般にビルやマンションを建てる際、地盤が弱い場合には地盤の支持力を補うために杭を打ち込み建築を行います。地盤の強度や建物の重量にもよりますが、杭の長さは10メートル以上に及ぶことは珍しくなく、数も100本近くに達することがあるため、引き抜き工事には多大な費用が発生します。杭を最後まで抜かず途中でカットすることにより、費用を抑えることは可能です。
行政への確認が必要
建物を支えていた杭は、建物の解体を通じて産業廃棄物へと法的な解釈が変貌します。自分の敷地であっても廃棄物を放置することは、廃棄物処理法違反(不法投棄)に該当する恐れがあるため基本的には禁止されています。しかし、杭抜き工事は近隣への影響が生じる恐れがあるため、行政に相談し「抜く必要はない」という見識が得られた場合には、杭を抜かずに置いておくということも可能です。
その後デメリットが生じることも
コストダウンは短期的に魅力ですが、杭のカットが将来的にデメリットをもたらすことがあります。例えば、土地を売却する場合、売り主は重要事項として杭の存在を買い主に伝える義務がありますが、杭があることにより地価が下がる可能性があります。また、新しく建物を建てる際にも杭の影響で何らかの支障が出たり、コストアップにつながる可能性は否定できません。他に、杭を途中でカットしたことにより、その後の撤去が難しくなるため、将来的により大きなデメリットが生じる可能性があります。
杭を抜かないという選択
土地の利用方法によっては、杭をまったく抜かずに置いておくという選択肢も考えられます。例えば、解体後の土地利用方法が駐車場であれば問題なく使用することが可能ですし、建築計画によっては既存の杭を利用し、新築建物の基礎を設置することができる可能性もあります。解体工事会社や杭抜き業者、建築業者等に相談し、質問者様の要望に最も近しい判断をして下さい。
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