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アスベストの事前調査は義務でしょうか?


                 

解体工事の見積りをしてもらうために、解体業者に建物を見てもらいました。
その際に業者から「建物にアスベストが含まれている可能性があるため、成分分析調査を行う必要がある」という説明を受けました。
費用も掛かるそうなのでできればやりたくないのですが、これは義務なのでしょうか。

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今回の場合、設計図書や目視等により、アスベストの有無が判断できなかったものと思われます。業者より事前調査の依頼が入った場合は協力する義務があります。

平成26年に施行された≪大気汚染防止法の一部を改正する法律≫により、
発注者への事前調査に対する協力義務が明記されました。
また、2020年6月には「大気汚染防止法」の改正が公布、事前調査の義務化と調査方法の法定化が行われ、
実際に2022年4月から施行となっています。

具体的には、アスベスト含有建材(レベル3建材)を含む、アスベストを使った全ての建物の解体や改修時に
事前調査の必須化、調査方法の法定化がされました。
これらはアスベストの飛散防止対策をより厳重にするための改正です。

よって、業者より事前調査の依頼が入った場合は
費用が掛かってしまうとしても協力する義務があります。アスベスト規制強化に関する解体工事業界の意識調査

改正の背景

建築物等の解体等に伴うアスベスト(石綿)の飛散を防止するため、これまでも大気汚染防止法に基づいて石綿が使用されている建築物等の解体作業等に対して規制措置を講じていました。

しかしながら、建築物等にアスベストが使用されているかどうかを事前に十分調査せず、アスベストの飛散防止措置をとらなかったため、解体作業等においてアスベストが飛散したと推測される事例が生じていることや、工事の発注者がアスベストの飛散防止措置の必要性を十分に認識せず、工事施工者に対し施工を求めること等により、工事施工者において十分な対応がとられないこと等が問題となっていました。

さらに、アスベストが使用されている可能性がある建築物の解体は、今後増加することが見込まれているため、アスベストの飛散を防止する対策の強化を図り、人の健康に係る被害を防止するため、改正を行うことになりました。

調査の方法

事前調査の方法として、特定建築材料の使用の有無を分析により調査することのほか、目視、設計図書等を確認する方法があります。

順番として、目視、設計図書等により調査する方法では特定建築材料の使用の有無が明らかにならなかった場合に、分析により調査することになります。

なお、建築物等に使用される吹付け材、断熱材等の建築材料に関しては、設計図書等のみで判断せず、現地調査を行い設計図書等との整合性の確認が重要です。

ご質問の事例

今回の場合、設計図書や目視等により、アスベストの有無が判断できなかったものと思われます。

アスベスト調査は、建物の大きさや建材の種類により、調査の検体採取の数や範囲が異なる上、5万円〜10万円前後の費用が発生しますので、

調査を受ける際には、事前に業者からしっかりと説明を受けておくとよいでしょう。

具体的には、

  • ●調査の必要性
  • 可能性のある場所と検体採取の予定箇所
  • 調査による影響(建材の損傷・費用等)

は必ず説明を受けられることをお薦めします。

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