工事中の養生や散水は、法律で定められていますか?
現在、解体の見積りを取っています。業者から「建物の仮囲いや水まきが必要なのでその分の費用がかかる」という説明を受けました。
法律ではありませんが、国土交通省の「建築物解体工事共通仕様書」に規定があります。
解体工事の統一的な仕様書
解体業界において古くから工事の安全対策、発生する廃材の適正な処理、アスベスト含有建材の処分方法などが課題となっていました。このような問題への統一的な対応を図るために定められたのが、「建築物解体工事共通仕様書」です。解体工事の施工方法や廃棄物の運搬方法、そして今回のような養生仮設、散水についても細かく指示がされています。
仕様書による指示
仕様書には養生について、次のような指示がされています。
足場は、作業用とともに防音パネル等を張ることにより飛来落下の防止や遮音などの養生用を兼ねる場合が多いので、解体する構造物より高くする。また、必要な箇所にしのびがえしを設置し、解体片などが外部に落下しないようにする。特に倒壊事故につながる風圧力が大きく作用する防音パネル等を取り付ける場合は適切な間隔で構造物から壁つなぎをとる。解体時の足場は騒音防止の観点から建物の解体が先行し、足場の壁つなぎを取り外した状態で1フロア以上の高さを自立させる必要があるため、解体時の自立した状態で十分耐えることが出来るように、風荷重の検討を十分に行い補強を適切に行う。
又、散水についても次のような指示がされています。
粉塵については、特に法的規制はないが、厚生労働省などでは作業者の許容濃度を5mg/m3以下としている。特に解体工事で圧砕機等の稼動時は専用の散水設備を近くに設け、直接粉塵発生部に常時散水を行う。近隣住民に対する外気中の粉塵許容濃度は一般に0.2mg/m3以下に抑制する工夫が必要である。
以上のような理由から、近隣への影響が出るような地域では養生と散水が必要となります。
近隣への配慮は大切
質問者様としては少しでも解体費用を削減したい、というお気持ちかもしれませんが、近隣の方へのご迷惑をおかけしないためにも周囲への配慮は大切です。モラルの低い業者の場合は、契約を取りたいがために、養生や散水といった仮設工事を削減する会社も見受けられます。しかし、こうした場合、解体工事中に何かあった時には施主自らが、発注者としての責任を求められることにもなりかねません。周囲への方への配慮を怠らず、安全な工事を進めて下さい。
都道府県別に解体工事会社と解体費用相場を見る
-
北海道・東北
-
関東
-
甲信越・北陸
-
東海
-
関西
-
中国
-
四国
-
九州・沖縄