浄化槽の汲み取り費用はいくら?浄化槽の水張りや撤去についても徹底解説
「浄化槽の汲み取りが必要って言われたけど費用はどれくらい掛かる?」
「浄化槽から悪臭がするけど、原因ってなんだろう?」
浄化槽を使うご家庭は、定期的な点検や汲み取り(清掃)が義務付けられていますが、できていますでしょうか。点検や汲み取りをしないと内部の汚水や沈殿物が外に流出してしまい、周りの環境に悪影響を及ぼし、悪臭の原因にもなります。
また浄化槽を撤去する場合、浄化槽廃止届出書という届け出を自治体に出す必要があります。
ここでは、
・浄化槽の意味
・汲み取り(清掃)費用の目安、頻度
・浄化槽の水張りについて
・浄化槽を撤去する場合の費用と流れについて
を解説しますので、ご参考にしてください。
浄化槽の汲み取りとは?費用の目安は?
浄化槽とは、お風呂やキッチン、トイレなどの生活水を浄化できる設備の事で大きく分けて2種類あります。
合併処理浄化槽:家庭から出る全ての水(トイレ、台所、洗濯など)を浄化する
単独処理浄化槽:トイレの水だけ浄化し、お風呂や洗濯などの排水はそのまま川に流される
※平成13年4月1日より生産や新設は禁止されています。
自分の家の浄化槽がどちらなのか見分ける方法としては、浄化槽の蓋を確認しましょう。
3枚であれば合併処理浄化槽、2枚であれば単独処理浄化槽です。
※合併処理浄化槽のコンパクト化が進み、合併処理浄化槽でも蓋が2枚の場合もありますので、よく分からない場合は住宅メーカーもしくは浄化槽保守点検業者に聞いて確認しましょう。
浄化槽に流れ込んだ生活水は、固形物と液体に分けられ、微生物の働きを利用して汚水を浄化し、綺麗な水にして放流されます。
しかし分けられた固形物はそのまま浄化槽の中にたまっていきます。
その固形物を取り除くことを浄化槽の汲み取りといいます。
汲み取りを行わないと浄化槽の機能を起こし、排水不良や悪臭の原因となります。
費用の目安は?
浄化槽の汲み取り(清掃)費用の相場は2万円~5万円ほどが目安となります。これは、130㎡以下の住宅に設置する5人槽の場合の目安です。
130㎡以上の住宅に設置する7人槽や10人槽の場合は、上記の費用より高くなる可能性があります。
2.汲み取りはどこに依頼する?行う頻度は?
汲み取りの依頼は浄化槽清掃業者へ
浄化槽を設置している場合、基本的に浄化槽保守点検業者(浄化槽の点検をしてくれる業者)と契約されていると思います。まずはその業者に連絡をしてみましょう。浄化槽保守点検業者が浄化槽清掃業者の許可を持っていれば、汲み取りをお願いすることが出来ます。
浄化槽の保守点検業者を変更したい、もともと契約していないという場合は、自分で業者を探して依頼する必要があります。
ここで注意するべき点は、自治体から許可を得た浄化槽清掃業者への依頼が必要ということです。
ご自身で探すときは、「○○市 浄化槽 清掃業者」と調べると自治体のホームページが出てきますので、そこで業者を選んで電話をかけて依頼しましょう。
汲み取りを行う頻度は?
浄化槽の汲み取りは「浄化槽法」という法律により、年1回以上の実施が必要です。もし数年放置している方がいましたら、業者に依頼して汲み取りをしてもらいましょう。
また2020年4月1日からは、浄化槽の保守点検を行った浄化槽保守点検業者から「浄化槽の清掃をすべき時期」が書面にて通知されるようになりました。そのため浄化槽保守点検業者から貰う書面に「汲み取り時期が必要です」と記載がありましたら、汲み取りを行いましょう。
また汲み取り以外にも法定検査、保守点検の実施も必要です。
【法定検査】
・浄化槽の使用開始後3カ月∼5カ月の間に行う「設置後等の水質検査」
※浄化槽が適正に設置されているか確認をする
・毎年1回行う「定期検査」
※浄化槽の機能が正常に起動し、所定の放流水質が維持されているか確認をする
【保守点検】
・2~6か月ごとに点検(浄化槽の種類によって期間が変わります)
※装置の稼働状況を調べ、調整、修理、汚泥の状況確認、消毒剤の補充、清掃時期の判定を行う
浄化槽の管理者は、清掃(汲み取り)・法定検査・保守検査が必要なため、忘れないようにしましょう。
車検でイメージすると・・・
浄化槽でイメージすると・・・
3.浄化槽の汲み取りが終わったら水張りをしよう
浄化槽の汲み取りが終わったら、水張りをし完了となります。
水張りとは浄化槽に水を入れる作業のことで、下記2つの理由があります。
・常に土圧がかかっている浄化槽に対して、外からの圧力とのバランスをとるため
・浄化槽の中にいる微生物(浄化作用をしてくれる)の生息環境を整えるため
水張りにかかる時間は浄化槽の大きさによって異なりますが、単独処理浄化槽30分~1時間、合併処理浄化槽は1~2時間ほどかかります。
汲み取りと水張りは業者が行います。
作業してくれている時間は、洗濯や入浴することは控えましょう。
4.浄化槽を撤去する場合の費用相場と流れについて
浄化槽撤去の費用相場
建物と一緒に浄化槽を撤去するのか、浄化槽のみを撤去するのかで料金が変わります。
「建物と一緒に浄化槽を撤去する場合」
浄化槽の汲み取り費用 2~5万+浄化槽撤去費用 3~5万=合計5~10万
「浄化槽のみ撤去する場合」
浄化槽の汲み取り費用 2~5万+浄化槽撤去費用 5~10万=合計7~15万
浄化槽の撤去をする時には、解体業者と浄化槽清掃業許可業者に依頼する必要があります。
なぜなら、解体業者は浄化槽の撤去はできますが、浄化槽にたまった固形物(汚物)の汲み取り(清掃)は、浄化槽清掃業許可業者しかできないためです。浄化槽を撤去する際は、まず浄化槽の中身を綺麗にしなければなりません。
また建物と一緒に浄化槽も撤去する場合、セットでの解体になるので浄化槽の撤去費用を割安で対応できます。浄化槽のみの場合は、浄化槽のために現地確認・重機搬入・人件費など、コストや時間を使いますので、費用がやや割高になります。
この金額はあくまで目安のため、解体業者や浄化槽清掃業許可業者に依頼をして、正確な金額を確認してください。建物の解体や浄化槽の解体撤去を検討している方は、こちらから無料でお見積を取得できます。
浄化槽を撤去する場合の流れ
1.解体業者に浄化槽を撤去したいと伝える
2.解体工事が始まる前に浄化槽清掃業許可業者に汲み取り(清掃)を依頼し、浄化槽の中を綺麗にする
3.解体業者が浄化槽を撤去する
4.都道府県知事に浄化槽廃止届出書を提出する
下記で詳しく説明します。
1.解体業者に浄化槽を撤去したいと伝える
解体業者に「浄化槽を撤去したい」と伝えましょう。また、その際に「浄化槽のみの撤去」なのか「建物とセットで撤去」なのかによって料金が変わるため、工事会社に撤去する範囲をきちんと伝えましょう。
2.解体工事が始まる前に浄化槽清掃業許可業者に汲み取り(清掃)を依頼し、浄化槽の中を綺麗にする
浄化槽を撤去する日程が決まりましたら、浄化槽清掃業許可業者に汲み取り(清掃)を依頼しましょう。直前に依頼すると解体工事の日までに汲み取り(清掃)が間に合わない可能性がありますので、早めに依頼することをお勧めします。
3.解体業者が浄化槽を撤去する
解体業者が浄化槽を撤去します。基本的に部材や装置といった物を全て撤去します。全て撤去することにより、地中に何も埋まっていない状態を作ることができるため、土地の売却が可能となります。
4.都道府県知事に浄化槽廃止届出書を提出する
浄化槽の撤去が終わったら、自治体に浄化槽廃止届出書を提出しなくてはなりません。浄化槽法により30日以内に提出することが義務付けられています。
各自治体によって浄化槽廃止届出書の様式が異なりますので、インターネットで「○○県 浄化槽廃止届出書」と調べていただくか、市役所に問合せをして確認しましょう。
まとめ
浄化槽の汲み取り費用の目安や頻度についてお伝えしました。
定期的な検査・清掃(汲み取り)を行わないと内部の汚水や沈殿物が外に流出してしまい、周りの環境に悪影響を及ぼします。また悪臭が発生する原因にもなります。
また、浄化槽を撤去する際は解体業者と浄化槽清掃業許可業者に依頼したり、浄化槽廃止届出書を提出したりと、様々な手続きがあるので順番に対応していきましょう。
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