建物のアスベストを自分で燃やしてもよいでしょうか?
所有している古い建物を解体しようと思い、業者に見てもらったら建物の一部にアスベストが含まれていると言われました。アスベストが含まれている建物の解体は高くなると言われたので、アスベストの箇所を剥がして自分で燃やしてもいいでしょうか。
近隣へ多大な迷惑となる上、法律違反にもなりますので絶対に止めて下さい。専門業者に依頼をするのが得策です。
絶対に燃やしてはいけない
アスベストは高い断熱性と耐火性から、高性能な建材として多岐にわたり使われてきましたが、現在では有害物質として広く知られています。アスベストを吸い込むことによって、悪性中皮腫や肺がん、じん肺といった様々な重病にかかるリスクが増大するために、その取扱いには大きな注意が必要です。専門の施設やノウハウがない人間が焼却することは、絶対に避けなくてはなりません。
近隣へ多大な迷惑
アスベストを燃やそうとすると(鉱物であるアスベストは燃えないため溶けてガラス状になります)、炎と共に多くのアスベストの繊維が飛散します。この繊維は上昇気流に乗り、広範囲にわたり拡散することになります。繊維自体は見えにくいため、近隣の方が意識をすることはありませんが、陰で多大な迷惑を掛けることになります。
法律でも禁止されている
廃棄物処理法でもアスベストは特別管理廃棄物として区分され、その取扱いは厳密に定められています。ご自身での焼却は廃棄物処理法違反にも該当するため注意が必要です。
(廃棄物処理法施行令)
第二条四の五
ヘ 廃石綿等(廃石綿及び石綿が含まれ、若しくは付着している産業廃棄物のうち、石綿建材除去事業(建築物その他の工作物に用いられる材料であつて石綿を吹き付けられ、又は含むものの除去を行う事業をいう。)に係るもの(輸入されたものを除く。)、別表第三の一の項に掲げる施設において生じたもの(輸入されたものを除く。)及び輸入されたもの(事業活動に伴つて生じたものに限る。)であつて、飛散するおそれのあるものとして環境省令で定めるものをいう。以下同じ。)
第六条の五 第二項
ト 廃石綿等の処分又は再生は、当該廃石綿等による人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれをなくする方法として環境大臣が定める方法により行うこと。
第六条の五 第三項
ル 廃石綿等の埋立処分を行う場合には、次によること。
(1) 大気中に飛散しないように、あらかじめ、固型化、薬剤による安定化その他これらに準ずる措置を講じた後、耐水性の材料で二重にこん包すること。
(2) 埋立処分は、最終処分場(第七条第十四号に規定する産業廃棄物の最終処分場に限る。)のうちの一定の場所において、かつ、当該廃石綿等が分散しないように行うこと。
(3) 埋め立てる廃石綿等が埋立地の外に飛散し、及び流出しないように、その表面を土砂で覆う等必要な措置を講ずること。
専門家に依頼を
処分費用がたくさん掛かるのは心苦しい限りですが、それだけ処分には注意を要するという危険物質であるといえます。法律を順守するためにも、近隣の方への配慮ある工事を行うためにも、専門業者に依頼をするのが得策です。
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