会社が工事を不履行にしたまま連絡が取れなくなってしまった場合の対処法はありますか？
解体工事中に様子を見に来たら、業者が工事を投げ出して途中で帰ってしまったようです｡事務所に何度電話しても連絡が取れないような状態ですが、どうすればいいでしょうか。解体後には新築工事が始まってしまうので、それまでには解体を完了させなくてはいけないので焦っています。
連絡を取る最大限の努力をすると共に、工事後の損害が発生しないよう対処して下さい。最終的には法的な措置を講じることになります。
まずは連絡を取る努力を
今回のトラブルの最良のゴールとしては、解体工事会社が再度工事を行い無事に工事が完了することです。どうして途中で投げ出しのか分かりませんが、まずは解体会社に対してメール、電話、手紙、会社への訪問というようにあらゆる手段を用いて連絡を取る努力をして下さい。
工事後の損害を食い止める
連絡を取る努力と平行して、工事後の損害を食い止める努力をしなければなりません。この後、新築の工事を控えているのであれば、解体工事の不調により工期のズレや新築業者との契約違反が生じないかを確認して下さい。もし、新築業者に迷惑がかかったり、損害遅延金の請求が発生するようであれば代わりの解体工事会社を探すなどの対応が必要になる場合もあります。更に、店舗や賃貸住宅の運営が関係する場合は、更に損害が大きくなることも考えられますので注意をして下さい。
法的な措置を取る
業者がこちらからの連絡に応じず、事態が進まない場合には法的な措置を講じます。
解体工事会社が存続している場合
請負工事契約の債務不履行を理由とする、契約解除と損害賠償金の請求を行います。お近くの弁護士に相談し具体的な指示を仰いで下さい。まだ、工事代金の支払いをしていなければ、解体工事会社への支払いを控えるべきです。
解体工事会社が破産している場合
業者が破産していた場合は、施主は債権者として債務（工事の履行）の回収を行います。この場合も早めに弁護士に相談し指示を仰いで下さい。
代わりの解体工事会社を探す
元の解体工事会社によって工事を完了することが期待できなくなった場合は、別の解体工事会社を探し工事を完了してもらうことになります。事情を話し見積もりの作成を依頼して下さい。新しい業者の見積書や契約書は、工事を放棄した元の業者への損害賠償請求の根拠となることも考えられますので大切に保管して下さい。
予防策として
不履行で業者が逃げてしまうと、工事の完了や代金の取り戻しを行うのは容易ではありません。このようなトラブルを防ぐためには、「着手金で全額を支払う」というようなリスクの高い支払い方法を控えていただくことが望ましいといえます。
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