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建物解体の法律:建設リサイクル法


建物解体の法律:建設リサイクル法

建設リサイクル法

建設リサイクル法は、正式名称を『建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律』といいます。(またまた長いですね^^;)

解体工事に関する規則を定めた法律として、もともと建築関連法と廃棄物処理法がありましたが、適正処理の100%実施を実現するため、両者の不足を補う法律として2000年に制定されました。

建設リサイクル法のポイントは3点です

建設リサイクル法

ポイント1:500万円未満の工事でも解体工事業者登録が必要

建設業法では500万円未満の工事に対して許可の必要性を示していませんでしたが、住宅の解体工事は500万円未満の工事であることがほとんどです。

そこで、無許可業者による乱雑な工事を防止するために、建設リサイクル法では500万円未満の工事に対しても登録の必要性を設けています。

第五章 解体工事業
(解体工事業者の登録)
第二十一条  解体工事業を営もうとする者(建設業法 別表第一の下欄に掲げる土木工事業、建築工事業又はとび・土工工事業に係る同法第三条第一項 の許可を受けた者を除く。)は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2  前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
3  前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
4  前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
5  第一項の登録(第二項の登録の更新を含む。以下「解体工事業者の登録」という。)を受けた者が、第一項に規定する許可を受けたときは、その登録は、その効力を失う。

建設リサイクル法が制定される前は、この規則が無いばかりに戸建住宅の解体業界は無法地帯とも言えましたが、現在はだいぶ法律の整備がされてきたと言えます。

ポイント2:分別解体と再資源化の義務付け

廃棄物処理法では産業廃棄物の適正処理が定められていますが、リサイクルについての取り決めは特に定められていません。

そこで以前の解体現場では、少しでも手間を抑えるために廃材を分別することなく重機で粉々にして(ミンチ解体・混合解体)、そのまま最終処分場で埋め立ててしまうということが行われていました。

しかし、「これからの環境のために建築現場でもしっかりとしたリサイクルをしていこう」という考えから、建設リサイクル法では解体現場での分別解体を義務付けています。

第三章 分別解体等の実施
(分別解体等実施義務)
第九条  特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって、その規模が第三項又は第四項の建設工事の規模に関する基準以上のもの(以下「対象建設工事」という。)の受注者(当該対象建設工事の全部又は一部について下請契約が締結されている場合における各下請負人を含む。以下「対象建設工事受注者」という。)又はこれを請負契約によらないで自ら施工する者(以下単に「自主施工者」という。)は、正当な理由がある場合を除き、分別解体等をしなければならない。

更に、分別した廃棄物に関してはリサイクルの実施を義務付けています。

四章 再資源化等の実施
(再資源化等実施義務)
第十六条  対象建設工事受注者は、分別解体等に伴って生じた特定建設資材廃棄物について、再資源化をしなければならない。ただし、特定建設資材廃棄物でその再資源化について一定の施設を必要とするもののうち政令で定めるもの(以下この条において「指定建設資材廃棄物」という。)に該当する特定建設資材廃棄物については、主務省令で定める距離に関する基準の範囲内に当該指定建設資材廃棄物の再資源化をするための施設が存しない場所で工事を施工する場合その他地理的条件、交通事情その他の事情により再資源化をすることには相当程度に経済性の面での制約があるものとして主務省令で定める場合には、再資源化に代えて縮減をすれば足りる。

この法律のおかげで、コンクリートの97.3%、木材の80.3%という、高い再資源化率が実現できています。

一つの最終処分場が埋まってしまえば、また山を切り開いて新たな処分場を作らなくてはなりません。環境への負担を少しでも減らすためにも、再資源化は非常に重要です。

ポイント3:事前の届出義務と罰則が施主に対して課せられている

適正な建物解体工事を実施していくためには行政のしっかりとした管理が重要ですが、それだけではどうしても目の届かない部分が生じてしまいます。

そこで、「建物解体工事の発注者(施主)にも、適正な解体工事が行われるような手伝いをしてもらおう」という考えから、建設リサイクル法では発注者(施主)に対して、『建物解体工事を行う7日前までに工事計画書を提出する義務』を定めています。

(対象建設工事の届出等)
第十条  対象建設工事の発注者又は自主施工者は、工事に着手する日の七日前までに、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
一  解体工事である場合においては、解体する建築物等の構造
二  新築工事等である場合においては、使用する特定建設資材の種類
三  工事着手の時期及び工程の概要
四  分別解体等の計画
五  解体工事である場合においては、解体する建築物等に用いられた建設資材の量の見込み
六  その他主務省令で定める事項

更に適正なリサイクルが行われなかった場合には、発注者は行政に指導要請が出来るということも取り決められています。

2  前項の規定による報告を受けた発注者は、同項に規定する再資源化等が適正に行われなかったと認めるときは、都道府県知事に対し、その旨を申告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

なるほど。適正な建物解体と再資源化のために、発注者にも積極的に関わって欲しいという意図が込められていますね。

ちなみに、ここで忘れてはいけないのは、『事前届出の義務を怠った場合は発注者に対しても罰則がある』ということです。

第五十条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一  第十条第三項の規定による命令に違反した者
二  第二十五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

最終的な再資源化の確認までは義務にしないけれども、「せめて最初の届出だけは必ず行ってくださいね!」ということですね。

うっかりしないように

今までの法律は、『施主はあくまで知識が乏しく弱い立場であり、守るべきもの』という観点から定められてきましたが、建設リサイクル法に関しては、しっかりとした義務が定められています。

なれない作業ですが、うっかり忘れないように是非気をつけてください。

この記事を書いた人

クラッソーネ運営

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