解体工事会社の上下関係から見る、解体業の構図
解体工事会社の上下関係に見る解体業界
先のコラムで『業態』と『規模』という2つの視点から解体工事会社を見てきました。それに加えてもう一つ気をつけないといけないのが解体工事会社の『元請け』・『下請け』の関係です。
昔から建設工事は大小さまざまな業者が『元請け』・『下請け』・『孫請け』というように入り乱れて工事を行うのが慣例となっており、解体工事も例外ではありません。しかし、せっかく解体工事会社を一から選択するのであれば、その関係を理解した上で自分に有益な解体工事会社を選ぶのが肝心です。
それでは、悪い例と良い例を順番に見てみましょう。
良くない依頼の流れ:沢山の下請け業者が入る
良くない依頼の流れ
解体工事会社の分類:業態別のコラムでもお話しましたが、解体から中間処理まで一つの業者が行うことは珍しく、実際には協力企業に一部作業を任せることで、最終処分まで完了させるケースがほとんどです。
しかし、『家の取り壊し』と『収集運搬』を専門に行うような業者であっても、下請けに流してしまう場合があります。
例えばこんなケース、
1.工事現場から遠方(片道1.5時間がボーダーライン)の元請業者に依頼をする。
2.元請業者としては運賃や移動にかかる時間など割に合わないので、現場から近い1次下請業者に横流しをする。
3.忙しい時期などで1次下請業者の作業員が足らない場合、もっと小さい2次下請業者に丸投げする。
見事、孫請業者の誕生です。他にも、
1.ゼネコン相手の商売がメインの解体工事会社に依頼をする。
2.住宅家屋の解体は利幅が少ないので、近くの1次下請業者に横流しをする。
3.固定費を減らすために元々従業員が少ない1次下請業者の場合、普段から協力のある2次下請業者に丸投げをする。
ましてや、解体工事会社の分類:業態別で紹介したような横流し業者であれば、簡単に孫請け業者まで行き着いてしまいます。
このような流れを作ってしまっては、元請、下請け間のマージンばかりがかさみ、なかなか良い見積りを手にすることはできません。さらに、窓口である元請業者に何か要望を伝えても、工事を行う2次下請業者に伝わるまで、タイムロスや伝達ミスが起きやすいという難点もあります。
理想的な依頼の流れ:元請け業者が直接施工
理想的な依頼の流れ
理想的なのは、しっかりと自社施工を行う解体工事会社に工事を依頼することです。この場合、無駄なマージンを払うことなく、工事を進めることができます。
見積り金額という面からも、工事業者に直接要望を伝えられるという面からも、このような流れで工事を依頼できるのが理想です。
いかに直接施工業者を探すか
直接施工を実現するためには、次のようなポイントを守ることが大切です。
○片道1時間以内の業者に依頼をする
○自分が壊したい建物の解体が得意な業者を選ぶ(住宅・ビルetc. ホームページの解体事例も判断材料になる)
○自社で施工しているかを質問する(仲間にお願いする、というようにはぐらかされたら流している可能性あり)
なかなか分かりづらい部分でもありますが、良い見積り依頼ができるように辛抱強く業者を調べましょう。
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