建物解体工事会社が不法投棄を行った場合の施主の罰則
建物解体工事会社が不法投棄した場合の施主の罰則
建物解体工事会社が不法投棄をしたというニュースは、テレビなどでも時折目にします。
不法投棄は完全なる犯罪です。摘発された業者は思い処罰を受けるということはよく知られていることと思いますが、これから解体工事会社を探す皆さんが一番気になるのは、「もし自分が依頼した業者が、不法投棄をしたらどうなるのだろう?」ということではないでしょうか?
今回は解体工事で違法行為を働いた場合の処罰についてをお話します。
違法行為には厳しい罰則が
解体工事に関する取り決めをしている法律は、
『建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建設リサイクル法)』
『廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理法)』
の2種類があり、それぞれにおいて罰則が定められています。
2つの法律を通じて最も重い罰則は『5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金』とかなり重いものになっていますが、どのような罰則が適応されるかに関しては『解体工事会社』なのか『施主』なのかによって異なってきます。
それでは順番に見てみましょう。
解体工事会社の場合
『建設リサイクル法』において、元請業者(解体工事会社)の最も重い罰則は次のように定められています。
第四十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十一条第一項の規定に違反して登録を受けないで解体工事業を営んだ者
二 不正の手段によって第二十一条第一項の登録(同条第二項の登録の更新を含む。)を受けた者
三 第三十五条第一項の規定による事業の停止の命令に違反して解体工事業を営んだ者
許可を受けずに解体工事を行った場合や、不正な手段で許可を取得した場合、業務停止命令を無視して解体工事を行った場合は上記の罰則が適用されます。
また、『廃棄物処理法』において、廃棄物収集運搬業者(解体工事会社)の最も重い罰則は次に用に定められています。
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第七条第一項若しくは第六項、第十四条第一項若しくは第六項又は第十四条の四第一項若しくは第六項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行つた者・・・
長い条文なので割愛しますが、不法投棄を行ったり、廃棄物の不正な償却を行った場合には上記の罰則が適用されます。
解体工事は、危険を伴う工事ですし、廃棄物は環境にも影響を及ぼしますから、解体業を営む業者の不正は厳しく取り締まらなくてはなりません。
施主の場合
一方施主の場合はどうでしょうか?
『建設リサイクル法』において、発注者(施主)の最も重い罰則は次のように定められています。
第五十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第十条第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
つまり、解体工事前に役所に届出をしなかった場合や、ウソの届出をした場合は上記の罰則が適用されます。
『廃棄物処理法』に関してはどうでしょうか?実は『廃棄物処理法』は解体工事後の廃棄物処理について述べられている法律ですので、施主に関する罰則は存在していません。
つまり、施主は事前の届出だけしっかりと行っておけば安心して工事を行えるというわけですね。
『施主も逮捕される』はウソ
ここまで読んでいただくと『あれっ?下手すると施主も逮捕されるって聞いたよ。』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
安心して下さい。そのウワサは解体工事会社と施主を混同した間違いです。
次の図をご覧ください。
廃棄物処理法で、罰則が定められているのは、『排出事業者』、『産業廃棄物収集運搬業者』、『中間処理業者』、『産業廃棄物処分業者』の4者に対してですが、施主は発注者に当るため、一切の罰則は該当しません。
誤ったホームページでよく見かけるのは、『排出事業者=施主』という解釈です。しかし、建設業の場合は『排出事業者=元請業者』と明確に定められています(念のため環境省にも確認を取りましたのでご安心を)。
もちろん、不法投棄をするような悪徳業者を排除する努力は必要ですが、法律に対して必要以上におびえる必要はありませんので、どうぞ安心して解体工事会社探しを進めてくださいね。
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